インゲ・クリステンセンの「蝶の谷」
2009-01-31


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今日の朝日新聞の夕刊(3版12面)に「詩の花環編んだ」というタイトルでデンマークの詩人インゲ・クリステンセン(Inger Christensen )の死を悼む記事が出ていました。コペンハーゲン大学DNP特任教授の長島要一さんの記事を引用させていただきます。「(前略)そして、ソネット集『レクイエム 蝶の谷』(91年)で金字塔を建てるにいたった。4行2連、3行2連から成る各編の最終行を次編の初行で繰り返し、それを14回重ねた後に、最終第15編を、重複された行のみで連ねて一片の詩に織りだすという構成の詩の花環を、インゲ・クリステンセンは編んでみせた。(後略)」
ここまで読んで、あれっ?って思ったよ。インゲ・クリステンセンって言う名前と「蝶の谷」というタイトル、なんか引っかかるなぁ。それで探したらありました。Niels Rosing-Schowという作曲家のまさにこの詩に作曲された合唱曲のCDが。ブックレットはデンマーク語のみなのでなんのことやらちんぷんかんぷんだったけど、テキスト全文も掲載されていて、なお、CDにインゲ・クリステンセン自身が朗読したトラックもある!!
たしかに最終行が、次の連の初行になっているし、作曲家もメロディーやハーモニーを重ねて、言葉と同じ構成にしている。15連のうち、5,6,7,8連と12,13,14連は作曲されていなくて朗読という構成で、これ以外の連も、言葉に従って繰り返すこと無しに淡々と進んでいく構成。1996年制作のCDだが、購入したのは2006年。買ったときに一度聞いたきりで、大した感銘も受けなかった(購入した動機はArsNovaという大好きな合唱団だったから)ため、そのまま置いてあったのだが、聞きなおしてみると、新聞記事にあるように「蛹から変身してやがては死を迎える蝶に、はかない一生が重なねられ、....」っていう気がしてくるから自分の耳も適当なもんだなぁと。
音楽とは表面的には関係のない新聞記事に触発されてCDを聞きなおすなんてね。なんだか楽譜が欲しくなってきたなぁ。
ちなみにCDはExlbrisレーベルのEXLCD30055。楽譜はWilhelm Hansenから出版されています。
[録音(CD)]
[合唱全般]

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